本部長メッセージ2024

本部長メッセージ

 

従業員一人ひとりの能力を源泉に
ゆたかな明日を創り、支える

西日本鉄道株式会社
常務執行役員 国際物流事業本部長
宇髙 圭一

2023年に「NNRグローバル・ロジスティクス サステナビリティポリシー」を策定・開示し、また当事業本部初の試みとして「サステナビリティレポート」を発行してから、1年ほど経過しました。この間、お客さまを初めとするステークホルダーの皆さまより多くのご反響をいただき、お問い合わせをいただく機会も増えています。サステナビリティに対する関心の高まりを実感すると共に、当事業本部が果たすべき社会的責任の大きさを再認識しています。今後も従業員一人ひとりがサステナビリティの視点を常に持ちながら、国際物流インフラの一角を担うという使命と責任を果たしてまいります。

持続的成長に向けガバナンスをさらに強化しつつ
社会の新たなニーズに高品質なサービスで対応

持続的に社会的責任を果たしていくためには、ガバナンスの強化が不可欠と考えています。とりわけ、私たちは日本国内のみならず世界各地に事業拠点を持ち、その国・地域のルールに基づいて事業を行うことが求められています。海外現地法人におけるルール遵守状況をモニターし、グループ全体でさらにレベルアップができるよう、2024年4月に「海外法務課」を新設しました。

営業面では、従来の久留米出張所(福岡県)を発展させる形で、2024年4月に熊本営業所を開設いたしました。大手半導体製造企業の進出が進み、国際物流サービスへの需要が高まっている熊本地区において、これまで以上に地域のお客さまに密着することで“濃こまやか”で高品質なサービスを実現しています。

また国内最大のマーケットである首都圏においては、当事業本部の新たなフラッグシップとなる物流拠点「関東ロジスティクスセンター」が7月より営業を開始しました。デジタル技術の導入により自動化・省人化を進め、言わば“考える倉庫”としていきます。また保冷エリアを充実させたほか、化粧品や医薬部外品など従来扱ってこなかった新たな品目の取扱も開始しています。設備の充実と併せて、従来の倉庫のイメージを変えるような新たな運営方法も採り入れ、当事業本部の「夢」を実現するための拠点として引き続き進化・成長させていきます。

一人ひとりの人財を最大の経営資源ととらえ
個々の成長を事業成長につなげていく

サステナブル経営を強化する上で、核となるのが「人財」です。国際物流のように大きなアセットを持たない業態では、人財こそが最大の経営資源です。お客さまのご要望やお困りごとに寄り添って共に課題を解決する上で、一人ひとりの能力が大きな比重を占めています。事業の継続も成長も、人財なくして語ることができません。

当事業本部では人財力強化に向けて、従来より各人の成長を促す各種の社内研修を実施しています。また、自身の中長期的なキャリアについて考えてもらい、自律的なキャリア形成を促進するため、キャリア面談を実施しています。

グローバルに活躍できる人財の育成を目的に行ってきた海外研修制度(期間1年間)は、2024年度より期間3年間の海外短期駐在制度として拡大して実施しています。海外駐在で得られた経験やスキルは、本人にとっても、また会社にとっても、かけがえのない財産であると共に次の成長への土台になります。

これらは、決して目新しい取り組みでも、実施したからと言ってすぐに結果が出るものでもありませんが、長期間継続して行うことで将来の結果につながります。社会のニーズや事業環境の変化にあわせてグレードアップさせながら、地道できめ細かな人財力強化に今後も取り組んでいきます。

誰もが生き生きと活躍できる場を提供するため
エンゲージメントの高い組織づくりに注力

個々の従業員が持つ人財力を十分に発揮してもらえるよう、「エンゲージメントの高い組織づくり」を実現し継続させるために、さまざまな取り組みを行っています。

一例として、役員と5名程の従業員が直接対話する役員座談会を定期的に開催しています。寄せられる質問は、会社や事業本部の方針・施策から、キャリア形成に関するものまで、テーマは実に多彩です。その中で特に重視しているのは、一方的にメッセージを伝えるのではなく、「対話する」ということです。互いに忌憚なく語り合うことで、理解や共感が醸成され、会社の力強いサポーターとなってくれることも少なくありません。

国内だけでなく、海外拠点も同様です。海外へも可能な限り足を運び、一人ひとりから生の声を聞くことを心がけています。

対話の場で私は、「5年後、10年後にはこうなっていたい」という想いを持ち、そこに近づけているかどうかを常に意識してほしいと従業員に伝えています。それぞれが自分のキャリアプランを描き、そこからバックキャスト的に考えて行動すれば、それが自己成長につながり、ひいては組織が発展する源泉となるでしょう。そのために、会社も人財の成長を助けるための仕組みを全力で考えて実践しています。チャレンジしたい従業員には積極的に活躍の場を与え十二分に成長してもらいたいし、当社グループ、当事業本部にはその土壌があります。

必要なモノを、必要な場所へ、必要なときにお届けする。
――物流は多くの皆さまに喜んでいただける、とても夢のある事業です。私たちは物流事業者としての矜持を胸に、個々の人財力を結集させ最大化しながら、お客さまのニーズに“濃やかに”寄り添うことで、世界各地の社会課題解決に貢献してまいります。ステークホルダーの皆さまには、どうか私たちと共に歩みを進めていただければ幸いです。