脱炭素社会実現に向けた取り組み
持続可能な燃料による輸送の脱炭素化
航空業界では、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みの1つとして、持続可能な航空燃料「SAF※」の導入が進められています。日本政府は2030年に国内SAF供給比率10%の達成を目指しており、世界各国でもSAFの需要が高まっています。
当事業本部では、2023年7月より全日本空輸株式会社のSAF利用プログラム「SAF Flight Initiative」のカーゴプログラムに参加し、航空貨物輸送におけるCO2排出量削減に取り組んでいます。2023年8月には中国・上海向け、2024年3月にはドイツ・フランクフルト向けの出荷において同プログラムを活用しました。
また、海運業界でもカーボンニュートラル達成に向けて、バイオ燃料やLNG燃料などの導入が進められており、削減された温室効果ガス排出量を割り当てるサービスも提供されています。当事業本部では、2024年度よりCMA CGM Groupが提供する温室効果ガス削減サービス「ACT with CMA CGM+」を利用し、海上貨物輸送における温室効果ガス排出量削減にも取り組んでいます。
- ※SAF(Sustainable Aviation Fuel):植物や廃油などから作られた持続可能な航空燃料。既存のジェット燃料と比べ、温室効果ガス排出量を80%程度まで削減可能です。
写真提供:㈱ANA Cargo
再生可能エネルギーの利用拡大
二酸化炭素やその他温室効果ガスを排出しないクリーンなエネルギー源として、自社施設の屋根を利用した太陽光発電の導入を進めています。2024年度には、関東ロジスティクスセンター、りんくうロジスティクスセンター、成田ロジスティクスセンターで太陽光発電を開始しました。また、再生可能エネルギーを利用した電力の導入も行っており、2024年度は全事業本部電力使用量の約12%を再生可能エネルギーに切り替えました。

関東ロジスティクスセンター
りんくうロジスティクスセンター
モーダルシフトの取り組み
トラック等自動車で行われる貨物輸送から、より環境負荷の少ない鉄道や船舶での輸送に転換することをモーダルシフトといいます。鉄道輸送は、同一区間をトラックで輸送した場合と比べ、CO2排出量を約10分の1に削減できるとされています(国土交通省・2023年度試算による)。また、物流の「2024年問題」など今後トラックの輸送能力が不足することが想定されており、この観点からもモーダルシフトに対する期待が高まっています。当事業本部でも国内輸送、特に長距離輸送において、トラック輸送から鉄道輸送への変更をお客さまにご提案しています。2024年度は天候不良や車軸問題の影響により、鉄道コンテナの取扱数は前年度比77%と減少しましたが、今後も環境負荷低減に向けて鉄道輸送の拡大に取り組んでまいります。
モーダルシフトによる鉄道輸送併用のイメージ(一例)

インランドコンテナデポを利用したコンテナラウンドユース
輸出入コンテナの荷物の配達前後に、空いたコンテナを港ではなく内陸の「インランドコンテナデポ(ICD)」へ引き取りもしくは返却とすることで、空コンテナの輸送距離を短くすることが可能です。輸送距離短縮により、CO2排出量の削減やトラックドライバーの労働力不足緩和、働き方改革の実現などが期待されており、コンテナラウンドユースで戦略的な対策を取ることが可能となります。当事業本部においては、2024年度は1,718TEUのコンテナラウンドユースを実施し、通常手配時に比べて約27%のCO2排出量削減に貢献しました。
コンテナラウンドユースのイメージ

2024年度コンテナラウンドユース利用によるCO2排出量想定削減量

断熱ボックス使用によるCO2 削減(フィリピン)
NNR Global Logistics(Philippines) Inc. では、フィリピン国内での食品及び非危険物化学品の保冷輸送に断熱ボックスを使用した取り組みを行っています。- 20℃から+10℃までの温度帯に対応可能で、低温帯(2-8℃)では14 時間以上の保温が可能です。常温貨物との混載が可能なため、CO2排出量の削減や輸送費の低減に貢献します。
フィリピンで利用中の断熱ボックス
NNR Global Logistics(Philippines) Inc.
Administration and HR Manager
MARGARITA L. SAMARISTA



