1986(昭和61)年1月、西鉄は天神のターミナル機能の向上を第一に、天神地区の回遊性向上と商業・文化機能などの都心機能を充実させることで、天神地区の活性化を狙って「福岡駅周辺再開発計画(天神ソラリア計画)」を始動しました。これは、福岡駅を約100m南に移動し、S地区(福岡スポーツセンター地区)、C地区(福岡バスセンター地区)、AB地区(福岡駅地区)の3カ所に区分し、それぞれに再開発ビルを建設するもので、総事業費1200億円、工期10年超という西鉄始まって以来の大プロジェクトでした。
天神ソラリア計画は福岡市との地域一体型開発として進められ、九州で初めて「再開発地区計画制度」の適用を受け1987(昭和62)年7月31日に第一期・S(ソラリアプラザ)ビル工事に着工。89(平成元)年3月24日、ソラリアプラザが開業し、同年5月27日にはソラリア西鉄ホテルも営業を開始しました。
1992(平成4)年7月8日に着工した第二期・C(ソラリアターミナル)ビルは鉄道・バスともに営業を続けながらの大工事となり、西鉄バスセンター乗車場がソラリアターミナルビル3階に移転オープンしたのは1997(平成9)年2月27日、同年9月27日に福岡駅の3線4ホームが完成しダイヤ改正が行なわれました。
その間、1997(平成9)年3月25日には福岡ー平尾間の高架線が開通し、西鉄薬院駅が高架駅で営業を開始。薬院駅を中心とした約870mの工区では仮線を設置する用地の確保が不可能だったため、九州で初めて営業している在来線の真上に高架線を築く直上高架方式で工事が進められました。福岡ー平尾間の高架線開通により、開かずの踏切と言われた薬院踏切での混雑は解消。福岡ー大橋間5.22kmが高架区間となりました。
ソラリアターミナルビルは1997(平成9)年9月29日に竣工し、10月1日には福岡三越が開業。翌98(平成10)年4月23日には西鉄天神バスセンターの降車場も完成し、鉄道とバスが一帯となった巨大ターミナルが完成しました。
第3期・AB(ソラリアステージ)ビルは1996(平成8)年6月24日に着工、99(平成11)年3月31日に完成、4月3日に専門店街が開業し24日にグランドオープンを迎えました。これにより着工から12年を経て「天神ソラリア計画」が完成しました。 |