2000形、5000形に続いて1989(平成元)年3月、新型特急車両8000形が同年開催された「アジア太平洋博覧会ー福岡’89」開幕に合わせて導入されました。それまでの西鉄電車のイメージを大きく変える斬新なデザインの8000形は、運転席後方の側窓にクロスシート3列分、幅2660mmの世界最大級の大窓が採用され、ワイドな視界と展望の良さで人気となりました。
1992(平成4)年度に10両、93(平成5)年度に20両が導入された6000形は、西鉄初の4ドア車両で乗降の迅速化が大きな目的でした。94(平成6)年度に導入された6050形はVVVF(可変電圧可変周波数)制御装置を初採用。6050形はスムーズな加速と乗り心地の良さに加え、従来車両に比べて電力消費を約2割削減した環境に優しい車両となり、VVVFインバータ制御は以降の新型車両にも採用されました。
1997(平成9)年1月15日、三瀦ー大溝間3.7kmの複線化工事が完了。大善寺ー柳川間で所要時間の短縮に繋がり、全線の複線化率は78.5%となりました。
21世紀を迎えた2001(平成13)年1月1日、西鉄は大牟田線の名称を「天神大牟田線」に、西鉄福岡駅に「天神」の地名を付記し、表記は「西鉄福岡(天神)駅」としました。同年2月17日には老朽化した600形に代わって7000形が甘木ー大牟田間のワンマン運転に導入されました。
2004(平成16)年10月17日、花畑駅周辺の連続立体交差事業により久留米ー津福間2.07kmが高架線に切り替えられました。花畑駅と試験場前駅が高架駅となりました。
2006(平成18)年3月25日に営業運転を開始した3000形は、西鉄初のステンレス車体を採用し、クロスシートを装備した2両および3両固定編成。丸みを帯びた前面デザインで、5両編成の急行として主に使用されました。技術的には、車体の鋼体部分の接合において、日本の鉄道車両として初めてレーザー溶接を取り入れ、高品位な車体が低コストで実現できるとして注目を集めました。この点などが評価され、2000形以来となる鉄道友の会ローレル賞を2007年に受賞しました。
2014(平成26)年4月12日に開業90周年を迎えた天神大牟田線は、開業100周年を迎える2024(平成36)年度までに、さらなる進化をめざしています。2014(平成26)年3月22日のダイヤ改正に合わせて、福岡ー太宰府間で西鉄初の観光列車「旅人」が運行を開始しました。
また、2010(平成22)年度に着工した「雑餉隈駅付近連続立体交差事業」は2023(平成35)年度の完成、「春日原ー下大利連続立体交差事業」も同時完成をめざし、合計5.2kmを一挙に立体化すべく工事が進められています。
(文責:益田啓一郎) |