1924(大正13)年5月23日、西鉄貝塚線の前身「博多湾鉄道汽船」の新博多ー和白間10.8km(宮地嶽線)が開通、営業を開始しました(1,067mm軌間・蒸気動力)。翌1925(大正14)年7月1日には和白ー宮地嶽間12.2kmも延伸開業。新博多駅(のち改名して西鉄博多、千鳥橋)を起点に、沿線には筥崎宮・香椎宮・宮地嶽神社があり、開業当初から三社詣りや海水浴など行楽客を積極的に誘致しました。
筥崎宮の参道を横切る博多湾鉄道汽船の蒸気機関車。
1926(大正15)年頃 所蔵:益田啓一郎
筥崎宮の参道を横切る博多湾鉄道汽船の蒸気機関車。
1928(昭和3)年頃 所蔵:益田啓一郎
1929(昭和4)年8月16日、宮地嶽線(新博多ー宮地嶽間)は直流1500ボルトで電化され、電車運行が始まりました。全線の所要時間は従来の約1時間から約40分と大幅に短縮され、30分間隔の運転が可能となりました。
多々良川に架かる名島川橋梁を進む電車(電化記念絵葉書)。
1929(昭和4)年8月 所蔵:益田啓一郎
三社詣りで賑わう新香椎駅(現・西鉄香椎駅)ホームと電車。
1935(昭和10)年頃 所蔵:西日本鉄道(株) 写真No. HWT005
終戦後の1951(昭和26)年7月1日、それまでの終点・宮地岳駅を移転し、西鉄福間ー津屋崎間の新線2.7kmが営業を開始。1954(昭和29)年3月5日、宮地岳線西鉄博多ー多々良間を1067mmから1435mmへ改軌、1500Vから600Vへの降圧を行なうと共に、複線化により福岡市内線の宮地岳線への乗入れが実現しました。
これにより競輪場前(現・貝塚)駅は福岡市内線の乗り換え駅となりました。1960年代になると沿線で団地開発が相次ぎ、花見団地(昭和41年)、鎧坂団地(昭和41年)、名島団地(昭和43年)、三苫団地(昭和47年)などの分譲が始まり、合わせて各駅の改築整備が行なわれました。
多々良川に架かる名島川橋梁を渡る1形電車。
1973(昭和48)年頃 所蔵:西日本鉄道(株)写真No. pb18P37
競輪場の廃止にともない、駅名は貝塚駅と改称。宮地岳線乗り場。
1964(昭和39)年頃 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.NMA056
1977(昭和52)年5月2日、大牟田線から転籍した313形がオキサイドイエロー塗色で運行を開始しました。現在まで続く貝塚線カラーの登場でした。
福間ー宮地岳間を進む313形ワンマン運転車両。
1980(昭和55)年頃 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.NMA029
貝塚駅に停車中の313形試運転車両。
1977(昭和52)年4月 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.NTBY406
1980(昭和55)年9月にはワンマン運転が始まり、1981(昭和56)年度には旧型車両が全廃されて、3両連結を除く全車両でワンマン運転が実現しました。
また、1979(昭和54)年2月10日限りで西鉄福岡市内線が全廃となり、福岡市内線との乗換駅だった貝塚駅は1985(昭和60)年8月、福岡市営地下鉄2号線の貝塚延伸に備えて香椎寄りに約160m移転しました。
1986(昭和61)年11月、地下鉄2号線(箱崎線)開通にともない現在の駅舎での営業が始まり、地下鉄との接続が始まりました。同時期に、唐の原駅も開設されました。
名島川橋梁を渡るワンマン運転開始時に活躍した120形。
1980(昭和55)年頃 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.NMA022
冷房化改造も行い3両連結で活躍した300形306編成。
1989(平成元)年3月 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.NAGC202
1987(昭和62)年から始まった他形式の冷房化や、大牟田線からの600形転籍によって姿を消した旧型車両の120形は、かしいかえん号・よかトピア号などイラストとカラフルなカラー塗色でも人気を博しました。
かしいかえん号として運行された120形。
1985(昭和60)年頃 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.NMA027
地平時代の香椎宮前駅を出発した120形カラー電車。
1985(昭和60)年頃 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.NMA010
1987(昭和62)年度から始まった宮地岳線車両の冷房化は、1990(平成2)年度には大牟田線から600形の転籍が始まり、1991年度に全35両の冷房化が完了しました。
平成から令和にかけて活躍してきた600形は、1990・91年度に11両(5編成)が転籍。2015年度までにさらに6両(3編成)が転籍しました。当初は3両固定編成(608・609・659)もありましたが、千早駅などの沿線開発が進む前の2000年代前半にはラッシュ時の混雑率が低下したため、西鉄新宮〜津屋崎間廃止後の2008(平成20)年に中間車609が廃止となりました。
香椎花園前駅2番ホームに停車中の600形。
1995(平成7)年頃 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.IMG_2031
多々良車庫で出番を待つ3両編成600形(608・609・659)編成。
1995(平成7)年頃 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.NTDM055
宮地岳線の輸送人員は1992(平成4)年度の1219万人をピークに減少し、2006(平成18)年度には714万人まで激減。2007(平成19)年3月31日限りで西鉄新宮〜津屋崎間9.9kmを廃止し、残存区間は「貝塚線」に名称変更しました。
部分廃止に合わせて特別塗色を施した300形311編成。
2007(平成19)年3月 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.NTDM035
西鉄福間駅ホームに停車中の600形と特別塗色の300形311編成。
2007(平成19)年3月 撮影:益田啓一郎
1952(昭和27)年に大牟田線でデビューした313形は、日本初のモノコック構造を持つ鉄道車両でした。1977(昭和52)年に貝塚線に転籍してオキサイドイエロー塗色となっていましたが、最後まで現役だった315・365編成は開業90周年となる2014(平成26)年5月23日に、大牟田線当時のマルーン塗色で運行を開始。鉄道ファンから全国的な注目を集めて記念イベントやフォトコンテストも行われ、翌2015(平成27)年1月24日にラストランを迎えました。引退から半年後、ブラタモリ#18福岡と鉄道編(2015年放送)ロケでタモリさんに見送っていただき、解体されました。
マルーン塗色で三苫〜西鉄新宮間を進む313形。
2014(平成26)年5月 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.NTDMT237
貝塚駅からラストランで出発する313形。
2015(平成27)年1月24日 所蔵:西日本鉄道(株)
2018(平成30)年3月31日より、西日本鉄道と新宮町おもてなし協会は新宮町の魅力発信などを目的に、600 形ラッピング電車「にゃん電」を運行。猫の島として知られる相島にちなんだヘッドマークを掲出し、猫や新宮町特産品のみかん等をイメージしたデザインで人気を博しました。
さらに2020(令和2)年2月12日、西鉄と新宮町おもてなし協会はラッピン グ電車の第2弾「さんくすしんぐう号」を運行開始。外観側面には新宮町の特産品・立花みかんや苺、観光名所の立花山をモチーフにしたキャラクターを、前面や車内の座席には猫を描いた、色鮮やかなデザインとなって人気を博しました。
香椎花園前〜唐の原間の築堤を進む600形「にゃん電」。
2018(平成30)年4月 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.NGKM306
三苫〜西鉄新宮間の田園風景を進む600形「にゃん電」。
2018(平成30)年7月 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.NGKW717
和白〜三苫間を進む600形「さんくすしんぐう号」。
2020(令和2)年3月 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.NGKW131
貝塚線開業100周年記念ラッピング電車の出発式。
2024(令和6)年5月23日 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.NGMX112
貝塚線は朝ラッシュ時間帯の混雑率緩和を図るため、平日 7:30~8:30 に特に混雑する区間(香椎花園前 →貝塚間)を2本増便し、西鉄新宮→香椎花園前間は 1本減便しました。 また増便に伴い、香椎花園前駅に 2番のりばの新設、ならびに貝塚線車両の増備を行っています。
35年にわたり貝塚線の主力車両として活躍してきた600形の老朽化に伴い、天神大牟田線7050形(9編成18両)を 2027 年度までに導入し、保有数を1編成増やすことで増便を図ることになりました。
2026年3月末までに7050形3編成がオキサイドイエロー塗色となって貝塚線に転籍し、2026年2月末から順次運用に入っています。
香椎花園前〜唐の原間の築堤を進む7050形。
2026(令和8)年2月28日 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.P3010463
600形より窓が大きく明るい7050形の車内。
2026(令和8)年2月28日 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.P2280303
香椎花園前駅で離合する600形と7050形。
2026(令和8)年2月28日 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.P2230367
西鉄新宮駅そばの桜並木を横目に進む7050形。
2026(令和8)年4月8日 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.P4080055
600形の老朽化に伴い、天神大牟田線7050形(9編成18両)を 2027年度までに導入します。2025(令和7)年7月19日からは大牟田線アイスグリーン塗色50周年を記念して、大牟田線時代に同塗色で活躍した貝塚線600形(606編成)をアイスグリーン塗色に更新して運行しています。
さらに2027年度中の600 形の引退を控え、608編成(608+659)を大牟田線(現:天神大牟田線)運行開始当時のマルーン&ベージュのツートンカラーを復刻した特別塗装を施し、2026(令和8)年6月25日から運行を開始しました。引退発表後、鉄道ファンから復刻塗色を望む声を受けて実現したもので、600形登場からの歴代塗色が貝塚線に揃いました。
西鉄新宮駅そばの桜並木を横目に進む600形アイスグリーン車両。
2026(令和8)年4月8日 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.PIMG_8459
多々良川に架かる名島川橋梁を進む600形アイスグリーン車両。
2026(令和8)年6月27日 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.P6270078
貝塚〜名島間を進む600形ツートンカラー。
2026(令和8)年6月27日 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.P6270173
香椎花園前駅ホームに到着した600形ツートンカラー。
2026(令和8)年6月27日 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.P6270469
三苫〜西鉄新宮間の田園風景を進む600形ツートンカラー。
2026(令和8)年6月28日 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.P6280109
多々良車庫での600形ツートンカラー塗装風景。
2026(令和8)年6月8日 所蔵:西日本鉄道(株)写真No.P6120419
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