
草場 康文
事業創造本部
観光・レジャー事業部
1300年以上の歴史をもつ太宰府に誕生した「ホテル カルティア 太宰府」は、まちに点在する明治期などに建てられた古民家を利活用した分散型ホテルで、いわばまち全体がおもてなしの場。宿泊者を対象にした地域の歴史や文化に触れられる体験プログラムも用意し、プレミアムな旅を提供しています。
プロジェクトが動きはじめたのは2017年春。太宰府には国内外から多くの観光客が訪れるものの、太宰府天満宮と参道のみを観光して帰る人が多く、滞在時間の短さは長年の課題でした。「『通過型から滞在型の観光へ』という課題の解決には、宿泊施設が必要です。また、参道以外にも足を運びたくなるようなまち並みの維持・改善も欠かせません。そこで、関係者と意見交換するなかで、地域に残る古民家を再生した宿泊事業を立ち上げることになったのです」と草場さんは経緯を語ります。
【1】施設運営は、同様の古民家再生の宿泊施設などを手がけるバリューマネジメント株式会社に委託
【2】かつての改修の面影を残す壁を活かしたレストランの内装。飲食のみの利用も可能です
宿泊棟のうち、10月にオープンしたのは宿泊部屋4室とフロント・レストラン棟の役割も兼ねる「古香庵(ここうあん)」。江戸末期から昭和にかけて3代にわたり活躍した絵師の住居として建てられ、約3年前までは同名の料亭として利用されていました。歴史ある建物を宿泊できるような施設に改装するにあたり、草場さんにはある思いが。「長い時を経たものには物語があり、それを活かして伝えてこそ、古民家宿泊事業を行う意義があると思います。なるべく元からあるものを残すことなど、設計士や運営事業者と相談しました。その甲斐あり、所有者の方にもご満足いただける仕上がりになったと思います。開業時には『100年以上守ってきたこの場所を、次の100年につなげられることができてうれしい』というお言葉をいただき、よろこびとともに責任を感じています」。
【3】「カルティア」というホテル名には「文化を紡ぐ」という思いが込められています
今年6月には古香庵の近くに2棟9室がオープンし、合わせて13室の体制へ。また、近隣施設や行事などと連携した体験プログラムも強化します。「この場所を、太宰府の魅力を発信するフラッグシップホテルにしていきたいですね。宿泊の需要が少ないとよく言われていましたが、開業してみると皆さん気に入っていただき、連泊される方もいらっしゃいます。太宰府には深い歴史や文化などほかにはない素材がたくさん。地域に関わるみなさんの思いをつなぎ、新たな価値を磨き上げていくことが私たちの使命だと思っています」。
【4】古香庵の中庭に建つ重厚な蔵を改装した客室は一番人気。落ち着いた空間は、1階のリビングと2階の寝室に分かれています
【5】宿泊者を対象にした体験プログラムでは、九州国立博物館と連携したナイトツアーも実施しています
始動したばかりの「ホテル カルティア 太宰府」。太宰府観光の変化の一助となり、地元の方にも親しまれる施設となるよう成長していきます。
「賑やかな日中の太宰府もいいですが、宿泊してこそ感じられる、朝や夜の神聖な雰囲気もぜひ体験していただきたいです」
「ホテル カルティア 太宰府」のレストランでは、ランチやディナーでのご利用以外にも、ちょっとした休憩におすすめしているのがアフタヌーンティータイム(14:00?17:00)です。1日8セット限定で「あまおう苺のアフタヌーンティー」セット(3,500円)をご用意してお待ちしています。
◎詳しくはホームページをご覧ください
HP:「ホテルカルティア太宰府」で検索