西鉄初の観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」は、筑後の魅力を詰め込んだ料理で、お客さまをおもてなししています。 今回は、列車内での調理を担当するシェフの谷川 潤一(たにがわ じゅんいち)さんをご紹介します。



一皿一皿にお客さまと
生産者への感謝をこめて

谷川 潤一
THE RAIL KITCHEN
CHIKUGO
シェフ

筑後の素材を活かし 列車内のキッチンで 作り立ての料理を提供

内装から料理まで、筑後の魅力的なモノ・コトを乗せて走る「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO(以下レールキッチンチクゴ)」。 多くのお客さまが楽しみにされているのはもちろん、ランチとディナーの旅で味わえる、列車内で調理されたコース料理です。「全国に観光列車はたくさんありますが、車内のキッチンで調理して提供するのは珍しいと思います。 特に名物のピザを焼くための窯を設置しているのはこの列車だけ。生産者の方々が愛情こめて育てた食材を、作り立ての一番おいしい状態でお客さまに食べていただきたい。そんな思いで調理しています」とシェフの谷川さんは語ります。

レールキッチンチクゴのメニューは季節ごとに変わります。谷川さんも参加する料理監修者との打ち合わせでは、安全面から制約が多い車内のキッチンで、いかに味や盛り付けを再現できるか、アイデアを出し合います。 運行日の前日から仕込みを行い、当日は食材の種類や数を入念にチェック。不足のないよう、かつ廃棄ができるだけ出ないよう、数量を調整します。持ち込む野菜や仕込み済みの料理の衛生管理にも気を抜けません。

【1】運行日は出発前にスタッフミーティング。予約人数やアレルギーの有無など、お客さまの情報を確認します
【2】4人の調理スタッフで協力しあい、揺れる車内でもテキパキと美しく盛り付けしていきます

列車が動き出したら、サービスを行うスタッフと連携を取りながら料理を提供していきます。終点の大牟田までの運行時間は約2時間半。途中、柳川で降車されるお客さまもいらっしゃるため、それまでに最後のドリンク提供まで終わらせなくてはいけません。 「お客さまの食べるペースにも配慮しながら、コースの時間配分を考えています。無事に提供を終え『おいしかった』と降車されるお客さまの笑顔を見るとほっとします」と谷川さん。 「筑後の食材がこんなに豊かだとは知らなかった」「家でも使ってみるわ」といったお声をいただくのもうれしいこと。

【3】今年3月のデビュー以来、西鉄天神大牟田線の週末を彩る「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」

 「生産者の方からも筑後の食材のPRになると喜ばれていますし、観光列車をきっかけに弊社のレストランなどで筑後の食材を採用する動きも出てきています。 今後も生産者さんと交流を深め、さらに素材の魅力を引き出す料理を作っていきたいですね」。

そんな谷川さんが大切にしているのは、一期一会の気持ち。「お客さまのなかには一生に一度の記念日で乗車される方や、観光列車に乗るために遠方から来られる方も大勢いらっしゃいます。 ワクワクして乗車の日を迎えられる皆さんの期待に、これからも心のこもった料理で応えていきたいです」。

【4】八女の竹や大川の木工プレート、小石原焼など、器やカトラリーも筑後産。オリジナルのテーブルセットもかわいい
【5】「ようこそ」「お気をつけて」。西鉄福岡(天神)駅での出発時と、終点の大牟田駅到着時はスタッフが並んでお出迎えとお見送りを行っています

一日一日、一皿一皿に、お客さまと生産者の方々、そして食材への感謝をこめて。レールキッチンチクゴの車内で、今日も谷川さんは腕を振るいます。

「今後は生産者の顔が見えるような食材をもっと増やしていきたいですね。そしてひとりでも多くのお客さまに沿線の魅力を伝えられたらと思います」

ランチ、ディナー、ブランチ3つの旅を楽しもう!


地域を味わう旅列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」は予約制で「ブランチの旅」、「ランチの旅」、「ディナーの旅」の3つのコースを用意。 ランチ&ディナーは独創性に富んだ窯料理の名店「エンボカ」の今井正氏と福岡在住の人気料理家渡辺康啓氏が監修するオリジナルのコース料理です。 ブランチは福岡で人気の「シェ・サガラ」監修のゆずドッグと「コーヒーカウンティ」が本列車のためにブレンドしたオリジナルコーヒーをご提供します。

◎詳しくはホームページをご覧ください  
 HP:「レールキッチン」で検索