
林 秀虎
西日本鉄道
国際物流事業本部 海運営業部
西日本海運統括 九州海運営業所
衣類や雑貨、車や燃料など、私たちの身の回りには海外から輸入されたものが数多くあります。同時に多くの企業が海外へものを輸出しています。こうした物品の「物流」を通して日本と海外の国々をつなぎ、経済や暮らしを支えているのが国際物流の仕事です。
西鉄では今から70年前の1948年に航空貨物事業としてスタート。1985年に海上貨物の取り扱いも開始し、総合物流業者としての確立を目指し2012年、国際物流事業本部の海運営業部が発足しました。航空輸送に比べてコストがかからず、大型貨物や大量にものを運べる海上輸送は日本の貿易量の実に99%を占めています。現在、27カ国・110都市にまで広がる西鉄の海外拠点と連携し、海上輸送のコーディネートを行っているのが九州海運営業所の林さんです。
【1】港に足を運んで出港・入港に立ち会ったり、倉庫で貨物に問題がないかどうかチェックすることも大切な仕事
【2】社内では見積もり作成などのデスクワークのほか、輸送方法の検討、各案件の報告や振り返り、課題点などをミーティングで話し合います
「西鉄の輸送の基本は貨物を安全・確実に"ドアからドアへ"。国内の船や倉庫の手配から、海外のお客さままでのスケジュール管理、輸出入の際の税関申告や書類作成まで、さまざまな手配を行っています。国内の運送会社から船会社、倉庫会社、海外の事務所などいくつもの企業や人が関わりますので、綿密にコミュニケーションをとり、情報交換しています」。
海外とのやりとりは時差があるため、林さんは常に現地時間を意識し、迅速かつ効率的に作業を進めています。見積もりや問い合わせへの回答もスピーディーに。「お客さまをお待たせしたら、お客さまの取引先にも迷惑がかかってしまい、大きなビジネスチャンスを失うことにもつながりかねませんから」。
【3】博多港の物流拠点・香椎パークポートとアイランドシティコンテナターミナルには、
世界中からさまざまな船会社のコンテナが集まります
※撮影協力:博多港ふ頭株式会社
さらに、船に貨物を積み込み、送り出した後も気を抜けません。天候の影響や船のトラブルなど海上輸送では起こりうる事象により、到着が大幅に遅延しそうな場合は、必要に応じて代わりの航空便を手配するなどの対応策を考えなければならないからです。
「到着国で輸送に影響するような事件や事故が起こっていないかなど、現地の情報は随時チェックして、さまざまなシチュエーションを想定しながら段取りを行います。船が出港した後は、無事に届きますようにと、いつも祈ってますね」と語る林さん。「1件1件を大切に」を信条とする西鉄のきめ細かな対応は、海外のクライアントからも高く評価されています。
【4】林さんが肌身離さず持っているのがメジャーと世界地図。営業先でも貨物の計測や輸送ルートの確認に欠かせません
【5】自動車などを破砕する大きなシュレッダーを輸送したことも(写真)。通常のコンテナでは収まらない大型の貨物も、特殊なコンテナを使って運ぶことができます
今年5月には、ニュージーランドにも拠点をつくり、オセアニア地区の基盤を強化した西鉄の国際物流。今後は中東への進出も検討しています。世界のあらゆる地域に西鉄のネットワークを拡大し、世界経済の発展と物流の安全に、これまで以上に貢献していきます。
「バスや電車だけではない西鉄の国際物流という事業を、ぜひ多くの方に知っていただきたいです」
今や地域マーケットビジネスと並んで西鉄グループのコア事業となっている国際物流事業。しかしどのような仕事をしているのかはなかなか知られていません。国際物流事業本部のホームページには、海上輸送のフローをわかりやすく紹介するアニメーション動画を載せていますのでぜひアクセスしてみてください!
HP:http://www.nnr.co.jp/global_logistics/service/marine/flow/
●西日本鉄道 九州海運営業所
住所:福岡市博多区沖浜町12-1 博多港センタービル410号
電話:092-235-1651(1653)