
帆足 泰史
西日本鉄道 鉄道事業本部
運転車両部 運転課 運転指令係
お客さまを駅から駅へ安全にお届けする。この西鉄電車の日常を陰で支えているのが、今回紹介する運転指令所です。運転指令所は、いわば列車運行における心臓部。運行管理装置のもと、列車の運行に異常がないかを確認する運行監視や、列車の配車計画を考える車両運用などを行っています。天神大牟田線は全部で310両の車両を保有し、朝のラッシュ時には269両もの車両が稼動しています。一日の運転指令業務は係長1名、主任1名、助役5名の7名で、係長を除く6名の一昼夜交代制。運行監視業務や車両運用業務のほか、主要駅の旅客案内表示器の情報を管理する案内業務、夜間に行われる線路や電気施設の検査、工事の受付窓口となる施設担当業務に役割を分担し、少数精鋭で業務を行っています。現在、在籍する17名は全員が運転士経験を5~10年以上有し、うち7名は運転指令員として10年以上勤務するベテラン。「運転指令員は、乗務員や駅係員など運行に関わる人に指示を出し、統率する立場。運行業務を熟知していなければ務まりません」と帆足さんは語ります。
【1】運行監視盤が壁一面に設置される運転指令所。緊急時に備え、西鉄福岡(天神)駅や大橋駅など主要駅のカメラの映像も流れています
【2】個々の役割が明確に分かれているため、各担当との綿密な打ち合わせも欠かせません
【3】運行監視盤には、5桁の数字とアルファベットで記された列車番号が表示され、運行状況がひと目でわかります
お客さまを目的地へとお届けする事は、命をお預かりする事。だからこそ常に冷静な判断と、的確な指示が求められるのです。乗務員からの無線を受けた場合、まず行う事は正確な状況把握です。「対処に必要な情報を聞き出すため、緊急時こそ、ゆっくりと落ち着いた口調で話しかける事を心がけています」。一分一秒も無駄にできないため1人が無線を受けた瞬間、ほかの運転指令員はその会話を聞きながら同時に、ダイヤ変更や車両取り替えの準備などを素早く手配、各員があうんの呼吸で対応します。また、記憶に新しいのが、今年1月に福岡を襲った大寒波。「特急電車のドアが凍結して開閉が困難になるなど、特殊な事案も発生しました。しかし、幸いにも大きな事故もなく、全線で運行ができたあの一日は貴重な経験となりました」。
【4】【5】この日の帆足さんは、2日後の配車を計画する車両運用を担当。全駅の一日の発着時刻が書かれたダイヤグラムをベースに、車種や車両編成、保守・整備のスケジュールを考慮し、列車の配車計画を立てます。「私が作った配車計画にそって2日後の運行が行われるため、とても気を使う作業です」
「幼い頃の夢だった運転士を経験し、その後の目標となった運転指令の仕事に就けた事を、誇りに思っています」
九州では初めての開催となる街歩き系リアル脱出ゲーム「福岡謎解きトレイン」を10/10(祝)まで開催中です。このゲームはあなたが実際に西鉄電車に乗って謎を解きながら旅をするゲームです。参加方法はまず、西鉄天神大牟田線の指定の窓口でキットを購入。キットには西鉄天神大牟田線1日フリー乗車券が含まれています。そしてキットにある謎を解き、次の秘密が待つ駅に進んでいきます。謎を解き明かしたとき、きっとあなたは福岡の街の秘密を知る事になるでしょう。
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お問合せ:西鉄お客さまセンター
TEL:0570-00-1010/092-303-3333