このページでは、西日本鉄道で活躍・引退した後、他社へ転籍して現在も活躍中の現役車両や有志の努力で保存されている車両をご紹介します。


■静態保存車両のご紹介

西日本鉄道・福岡市内線500形 516号
松永安左エ門記念館
車両紹介  


製造年月 1948(昭和23)年4月
製造会社 日本車輛
自重 14.5t
最大寸法 全長11,000mm 全幅2,390mm 全高4,100mm
台車 軸バネ式(日本車輛製)
主電動機出力 37.3kw×2
定員 80名
製造時塗装 濃緑色
廃車年月 1979(昭和54)年2月15日 〔稼動期間:約30年〕
その後、壱岐・松永記念館へ移送し保存展示開始。
2010(平成22)年、保存工事で天井をFRP化し再塗色。
  ※は竣功時の諸元
 
   
松永記念館に保存展示中の516号 2015(平成27)年5月 撮影:益田啓一郎

 

 福岡市内線500形車両(501〜520)は、老朽化した木造2軸車の置き換えを目的に終戦前後の1944(昭和19)年から1948(昭和23)年にかけて製造された。壱岐松永安左衛門記念館で保存されている516号は、現存する500形2両のうちの1つである。

 車体全長は約11m、前面3枚窓で側面両端に折り戸を配置し、扉間には上段固定下段上昇式の窓を9枚配した。主要機器を廃車(木造2軸車)から転用したため高床式の車両となっている。空制関係の機器が揃わなかったため竣功は1946(昭和21)年以降となった。主電動機は木造2軸車のものを流用し、当初は22.4kW×2個と14.9kW×4個のものが存在したが、のちに新製37.3kW×2個に統一された。

 500形車両は1960(昭和35)年以降、窓枠の金属化や蛍光灯化などの近代化改装が施され、1968(昭和43)年から1970(昭和45)年にかけてワンマンカーへの改造が行なわれた。

 1979(昭和54)年2月10日限りで福岡市内線が全廃となり、516号は他の500形車両とともに廃車され、壱岐市に昭和46年に開設された松永安左エ門記念館に移された。記念館敷地内のタイルは福岡市内線の軌道敷石をそのまま再利用している。

松永安左エ門記念館(壱岐市) 紹介ホームページ

 松永安左エ門記念館は「電力の鬼」と称された壱岐出身の松永安左エ門の功績を伝えるために、壱岐市石田町の生家跡に1971(昭和46)年に開設されました。
 松永は1910(明治43)年の九州電気設立を契機に電気事業に着手し、西日本鉄道の前身会社である福博電気軌道(のち西鉄福岡市内線)や九州鉄道(現在の西鉄天神大牟田線)を立ち上げるなど、九州・福岡で活動地盤を固めたのち東邦電力を成立させて全国へ活動規模を広げました。
 戦時下において電気事業が国家管理化におかれることに反対し一度は隠居を決意しましたが、戦後ふたたび電気事業の民営化や料金値上げなど再編の中心人物として活躍するなど、日本における電力の歴史を牽引し続けました。

 記念館には松永が生前愛用した所持品や文書などが展示され、彼の功績を知ることができます。石田町ふるさと資料館を併設する建物入口には、松永が尽力して開業した福博電気軌道の後進、西鉄福岡市内線516号が展示保存されています。

館内展示風景
福博電気軌道開業時に使用していた机 写真家・杉山吉良の撮影した晩年の肖像写真
DATE
■開館時間 9:00~17:00(最終入館は16:30)
■休館日  毎週水曜日、年末年始(12/29~1/3)
■観覧料  高校生以上100(80)円、小中学生50(40)円
       ※( )内は15人以上の団体割引料金
■アクセス
石田印通寺港から徒歩10分
壱岐交通バス「郷ノ浦」から印通寺方面行乗車(約20分)
「マリンパル」下車徒歩5分
■駐車場  無料(普通車3台、大型バス3台)
■その他 スロープ
■住所 〒811-5214 壱岐市石田町印通寺浦360番地 案内Map
    TEL 0920-44-6688 FAX 0920-44-6688
 
博多駅前を走る現役時代の516号 1964(昭和39)年 所蔵:西日本鉄道(株)
松永安左エ門記念館の展示 2015(平成27)年5月 撮影:益田啓一郎
敷地内の敷石は福岡市内線で使用されていたもの 
2015(平成27)年5月 撮影:益田啓一郎
松永安左エ門記念館の展示と生家 2015(平成27)年5月 撮影:益田啓一郎
 
 
 


 
個人情報の取り扱いに関する基本方針個人情報に関する公表事項サイト利用規定
 企画・制作 西日本鉄道株式会社 Copyright(C) 2000-2015 by Nishi-Nippon Railroad Co., Ltd.