このページでは、西日本鉄道で活躍・引退した後、他社へ転籍して現在も活躍中の現役車両や有志の努力で保存されている車両をご紹介します。


■静態保存車両のご紹介

西日本鉄道・大牟田市内線200形 204号
(204号の会・大力茶屋敷地に設置)
車両紹介  


製造年月 1943(昭和18)年3月
製造会社 木南車輛
自重 13.9 t
最大寸法 全長11,780mm 全幅2,400mm 全高4,100mm
台車 軸バネ式(木南車輛製)
主電動機出力 37kw×2
定員 80名
廃車年月 1952(昭和27)年1月6日の大牟田市内線休止後に福島線へ転籍。
  1958(昭和33)年11月27日の福島線廃止後に福岡市内線へ転籍。
  1975(昭和50)年11月1日の福岡市内線一部廃止にともない、
  廃止。 〔稼動期間:約30年〕 山口県光市の市立図書館へ移設保存。
  2012(平成24)年4月20日より大力茶屋敷地内にて展示公開。
  ※は竣功時の諸元
 
大牟田市・大力茶屋にて保存展示公開 2012(平成24)年公開時 撮影:井尻慶輔

 

 204号を含む西鉄200形車両13両は大牟田市内線の輸送力増強を目的に、1943(昭和18)年から翌年にかけて木南車輌製造で製造された2軸ボギー車である。戦時下で電気部品の新規製造や調達が困難であったため、大牟田市内線の前身である大牟田電気軌道開業当初から運用されていた1形(木造4輪単車)13両の電気部品を転用し、車体と台車が新造された。

 竣功時、福岡市内線の輸送力増強が優先されたため、9両が福岡市内線へ、残る4両が大牟田市内線へ配置された。204号はそのうちの1両(元10号)であるl。その後、1948(昭和23)年の501形・551形増備の際に、福岡市内線の9両のうち4両が大牟田市内線へ、5両が福島線へそれぞれ転属・車番の整理が実施されている。

 1952(昭和27)年1月6日の大牟田市内線休止後、201号〜208号は福島線へ転属となり全13両が福島線所属となった。

 1958(昭和33)年11月27日の福島線廃止後、13両すべてが福岡市内線へ転属となり、中扉を埋めて前後2扉化および窓の改造(上段固定下段上昇式)が行われている。その後、福岡市内線のワンマン化にともない1967(昭和43)年から1970(昭和45)年にかけて、ワンマン化改造を実施。1975(昭和50)年11月2日の福岡市内線貫通線・呉服町線・城南線の廃止にともない、全車廃車となった。

 204号は廃車後に山口県光市の市立図書館に保存され、約10年間読書室として利用されたのちに老朽化にともない利用終了。2011(平成23)年に大牟田市内への里帰り保存を計画し地元で結成された「204号の会」により、大牟田に引き取られてうどん店「大力茶屋」敷地内に移設された。その後、修復および大牟田市内線時代の塗色に整備されて2012(平成24)年4月20日より一般公開されている。

 
204号の会

 かつて大牟田市内で路面電車が走っていたことを知る人は少なくなっていますが、当会では大牟田市の近代化を支えた歴史・文化・産業の記念的財産・象徴のひとつとして、山口県光市で保存されていた204号を譲り受けて大牟田市へ里帰り保存を計画し、多くの皆様の募金によって実現することができました。

 保管展示場所は本来であれば旧軌道沿いが望ましいのですが、即対応できる問題ではありません。幸い経営者様のご理解を得て大牟田市宮部のうどん店「大力茶屋」駐車場の一角に設置保存させていただき、有志により修理補修が行われて2012(平成24)年4月20日より一般公開が実現しました。

 当会では当面の運営費(補修管理)および適性場所への再設置・運搬費用などを、現在も広く募金・協力を募っております。

204号の会  代表 古賀知行(古雅書店代表)
福岡県大牟田市本町1-2-12  TEL:0944-52-7730
※車内の公開は月1回程度(不定期)です。車内見学ご希望の場合は上記204号の会までお電話にてお問い合わせください。
 
 
2015(平成27)年5月30日 撮影:益田啓一郎
外観(左)と内部(右)  2015(平成27)年6月8日 撮影:益田啓一郎
車内風景  2015(平成27)年6月8日 撮影:益田啓一郎
本車両は、現在大牟田市の「大力茶屋」敷地内にて公開されています。
 
 


 
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