204号を含む西鉄200形車両13両は大牟田市内線の輸送力増強を目的に、1943(昭和18)年から翌年にかけて木南車輌製造で製造された2軸ボギー車である。戦時下で電気部品の新規製造や調達が困難であったため、大牟田市内線の前身である大牟田電気軌道開業当初から運用されていた1形(木造4輪単車)13両の電気部品を転用し、車体と台車が新造された。
竣功時、福岡市内線の輸送力増強が優先されたため、9両が福岡市内線へ、残る4両が大牟田市内線へ配置された。204号はそのうちの1両(元10号)であるl。その後、1948(昭和23)年の501形・551形増備の際に、福岡市内線の9両のうち4両が大牟田市内線へ、5両が福島線へそれぞれ転属・車番の整理が実施されている。
1952(昭和27)年1月6日の大牟田市内線休止後、201号〜208号は福島線へ転属となり全13両が福島線所属となった。
1958(昭和33)年11月27日の福島線廃止後、13両すべてが福岡市内線へ転属となり、中扉を埋めて前後2扉化および窓の改造(上段固定下段上昇式)が行われている。その後、福岡市内線のワンマン化にともない1967(昭和43)年から1970(昭和45)年にかけて、ワンマン化改造を実施。1975(昭和50)年11月2日の福岡市内線貫通線・呉服町線・城南線の廃止にともない、全車廃車となった。
204号は廃車後に山口県光市の市立図書館に保存され、約10年間読書室として利用されたのちに老朽化にともない利用終了。2011(平成23)年に大牟田市内への里帰り保存を計画し地元で結成された「204号の会」により、大牟田に引き取られてうどん店「大力茶屋」敷地内に移設された。その後、修復および大牟田市内線時代の塗色に整備されて2012(平成24)年4月20日より一般公開されている。 |