筑豊電気鉄道は開業当時は車両を保有せず、西鉄北九州線所属車両の借入と直通乗入れによる営業を行なっていた。営業開始から20年を経た1975(昭和50)年11月2日、輸送力増強を目的に西鉄福岡市内線廃止で余剰となった1000形2両連接車5編成10両を西鉄から購入。同時期に購入していた北九州線車両3編成6両と合わせて1977(昭和52)年1月から3連化工事を開始、同時に主電動機の出力アップ等の改造を行なった。同年7月より2000形5編成(2001〜2005)が順次運行を開始した。
その後、1980(昭和55)年に北九州線1000形2両連接車3編成を譲り受け、3両連接車に改造し登場したのが2000形(2006・2007)である。旧福岡市内線改造の5編成と比較した際、方向幕窓が大きい等の特徴がある。
計7編成となった筑豊電気鉄道2000形車両は、沿線住民の方々から「黄電(きなでん)と呼ばれ親しまれ、1978(昭和53)年度の「ブルーリボン賞」「ローレル賞」にもノミネートされた(新型車両ではなかったため受賞は逃す)。
2000形車両は1984(昭和59)年に床下にインバーターを取り付けてクーラーを作動させる車内冷房に日本で初めて成功した。これにより同年6月1日、2000形車両3編成の冷房化を完了し、残り4編成も順次冷房化された。側窓安全ガラス化、踏段の段差縮小、ATS装置の新設などの安全対策・車両整備を行い、2007(平成19)年度には2000形7編成を7色に塗り分け「トレインボー」と命名。2006編成は「橙色」のカラーリングとなった。
老朽化と新型3連接車両5000形の導入に伴って2007編成が廃車となり、2015年5月1日現在、2006編成のみ現役である。 |