西新パレスが開業した同年4月は、福岡市にとって大きな節目の時期でした。4月1日には政令指定都市・福岡市が発足し、東区・博多区・中央区・南区・西区の5区が誕生しています。また、同じ日に米軍板付基地が返還されて、「第二種空港」として福岡空港が発足しました。今年はそれから50年の節目の年です。
西新パレスは、もともとこの場所にあった西新自動車営業所の車庫の一部と整備工場の跡地に建設されました。さらに遡ると、この場所は1910(明治43)年に開業した北筑軌道の起点・今川橋駅と施設が置かれた場所です。
江戸時代、この一帯は紅葉松原と呼ばれ、福岡藩の守護神・紅葉八幡宮が遷座されたことで界隈の発展が始まりました。明治末に北筑軌道が開業すると、施設北側に隣接していた紅葉八幡宮は1913(大正2)年に現在地(福岡市早良区高取)へ遷宮(移転)しています。