西日本鉄道株式会社 創立110周年記念誌S
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94第2部 近10年の歩みリーマンショックと世界同時不況 2008(平成20)年9月15日、アメリカ大手証券・投資銀行リーマン・ブラザーズが破たんした。“リーマンショック”と呼ばれ、先進国・新興国を問わず株価が暴落し、金融システム不安から国際的な金融収縮が起きた。米国で深刻な消費減退を招き、対米輸出不振を通じて日本、欧州が同時マイナス成長に陥った。 2009年10月にはギリシャの財政赤字を過小に見せていた粉飾が発覚。翌10年5月、欧州連合と国際通貨基金は混乱回避へ向け、最大7500億ユーロの緊急融資枠を創設、同年6月欧州金融安定基金を設立した。当初はギリシャで発生した財政危機が、アイルランド、ポルトガル、スペイン、イタリアなどに飛び火し、欧州全体の金融システムまで揺るがす事態となった。これによって世界同時不況が深刻化した。民主党への政権交代と自民党の政権復帰 2009(平成21)年8月、衆議院選挙で民主党が圧勝し、民主党・社民党・国民新党の3党連立で鳩山政権が発足した。1993年の細川非自民・非共産連立政権成立以来、自由民主党が野党に転落した。 その民主党政権も、鳩山、菅内閣と約1年前後で退陣を余儀なくされ、2011年9月に発足した野田内閣も2012年11月、解散総選挙に追い込まれた。民主党は1、西鉄を取り巻く経営環境  (2008~2013)東日本大震災(提供:共同通信社)経営総論第1節 竹島和幸社長の経営第1章惨敗し、自由民主党は再び政権を奪還した。さらに2013年7月の参議院選挙でも勝利し、公明党とあわせて過半数を制し、衆参のねじれを解消した。東日本大震災と九州北部豪雨 2011(平成23)年3月11日、三陸沖を震源とする東日本大震災が発生した。地震の規模はマグニチュード9.0で、わが国観測史上最大の巨大地震であった。この地震により巨大津波が発生し、岩手・宮城・福島県の沿岸部は壊滅的な状態となった。 また、津波に襲われた東京電力福島第1原子力発電所では、炉心溶融(メルトダウン)が発生した。原子炉建屋の爆発事故により大量の放射性物質が漏えいし、周辺住民の強制退去という事態に至った。 警察庁および復興庁によると、死者・行方不明者は震災関連死も含めると2万人を超え、発災時47万人あった避難者も、なお5.8万人と避難が長期化している。(2018年8月時点) 2012年7月、福岡県・熊本県・大分県において、気象庁が「平成24年7月九州北部豪雨」と命名した集中豪雨があった。死者30人、行方不明者2人を出したほか、佐賀県を含めた4県で、住宅被害は1万3263棟(損壊769 棟、浸水1万2494 棟)に上った。東日本大震災を受け緊急グループ社長会議で訓示する竹島社長

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