西日本鉄道株式会社 創立110周年記念誌S
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86第1部 天神発展史天神明治通り街づくり協議会(MDC)の設立 「天神まちづくりガイドライン」には、We Love 天神協議会がアーバンデザイン指針の作成・啓発・普及・運用を行う一方で、行政に対する具体的な機能更新の計画提案は、地権者組織としての協議会を立ち上げて行うべきであると明記されていた。 これを受けて、2008(平成20)年6月、天神明治通り地区の地権者11者で「天神明治通り街づくり協議会」(MDC)を立ち上げた。同地区は、約100棟のビルが立ち並ぶが、約半数が築40年を超えて更新期を控え、大きな転換期を迎えていたのである。 対象エリアは、東は那珂川畔から西は天神西通りまでの約700mの区間、南北は明治通りを中心にそれぞれおおむね1街区(約80m)の幅をもつ約17ヘクタールのエリアであった。MDCのこれまでの取り組み MDCは2009(平成21)年5月、福岡市が掲げる「九州・アジア新時代の交流拠点」という都市像をふまえ、「アジアで最も創造的なビジネス街を目指す」という理念のもとに、約20年後の街のあるべき姿を具体化した『グランドデザイン2009』をまとめた。 2010年、グランドデザインをもとに協議会エリア全体での地区計画(方針)を検討、翌11年に案をとりまとめた。地権者合意形成を経て、2012年12月、この地区計画案を福岡市に都市計画提案した。翌13年9月、福岡市は都市計画審議会の付議などを経て都市計画決定した。また、地区計画(方針)案の策定と並行して、グランドデザインの実現に向けて、より具体的な方針をまとめた『グランドデザイン実現の手引書』を2011年に策定した。同手引書では、街の将来像の具体的なイメージとして、①沿道景観の創出、②快適で高質な歩行者空間の整備、③都市機能の再構築、④交通体系の再編、⑤環境との共生、⑥安全安心の向上といった6つの考え方を示した。また、この手引書を基に、持続可能な街づくりを推進するため、MDCと建替え計画者が建替え計画などについて事前に協議する「街づくり協議の仕組み」を2014年に構築した。『グランドデザイン実現の手引書』第3節 天神明治通りの街づくり天神明治通りの将来像(MDC『グランドデザイン実現の手引書』より)天神明治通り街づくり協議会エリア(MDC『グランドデザイン実現の手引書』より)
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