西日本鉄道株式会社 創立110周年記念誌S
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77第4章 天神ソラリア計画の完了〈1990年~2000年〉西鉄天神バスセンターは3階に 1997(平成9)年2月、ソラリアターミナルビルの3階に高速バス専用の西鉄天神バスセンターが営業を開始した。1階にあったバスセンターが3階に移動したことで、東西の回遊性を高めた。バスの出入りには天神地区の最も混雑する区間を避けるため、薬院新川沿いに専用スロープを設けた。当初は乗車専用の6バースであったが、翌98年4月には降車バースも完成しグランドオープンを迎えた。これによって高速バスと電車、さらに商業施設が直結することになった。 また、4階にはタクシー停車場、4~8階に天神地区最大級の460台収容可能な駐車場を整備し、多様なアクセス需要に対応した。福岡三越の開店 1997(平成9)年10月、福岡三越が開店した。この日は1万人以上が開店前から並び、ソラリアターミナルビルが買い物客で幾重にも囲まれる中、1階北側入口のライオン像前で、三越の津田尚二社長ならびに福岡三越の古谷磐根社長、西鉄の明石博義社長がテープカットした。開店時間を15分繰り上げたが、それでも県内外から殺到した客で店内は混雑した。この日の人出は18万人を数え、プレオープンの12万人とあわせて2日間の人出は30万人に達した。開店から1年間の来店客数は2300万人に上った。 福岡三越は、三越の美術部門を核としたミュージアム百貨店としてスタートしたが、三越本体の支店ではなく、西鉄が15%、井筒屋が5%を出資する現地法人であった。約600億円を投資した福岡三越は、年間売上高410億円を目指して船出した。ソラリアパークサイドビルの完成 1995(平成7)年9月、ソラリアターミナルビルと並行して建設を進めていたソラリアパークサイドビルが竣工した。同ビルは1991年11月から解体工事をしていた西鉄第1別館跡地および隣接する九州電力今泉変電所の敷地に九州電力と共同開発したもので、1992年1月に着工していた。しかし、同ビル1階の一部をバスセンターの車路として使用したため、1997年2月にソラリアターミナルビル3階で西鉄天神バスセンターが稼働するのを待って残工事を行い、同年9月に完成した。 地下20mの部分にある九州電力の変電所および福岡三越の荷捌き場へのスロープを設けた。1階には西鉄プラザ経営のコンビニエンスストア、2~7階部分は福岡三越の事務所、8階には福岡市の天神東地区再開発事業のため天神地区から中央区大手門に仮移転していた福岡アメリカン・センターが入居した。西鉄天神バスセンター福岡三越開業(1997年)福岡三越ソラリアパークサイドビル

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