西日本鉄道株式会社 創立110周年記念誌S
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75第4章 天神ソラリア計画の完了〈1990年~2000年〉年3月、福岡市地下鉄1号線が博多駅から福岡空港駅に乗り入れ、空港からの乗車時間はJR博多駅まで5分、天神駅まで11分となった。空港が時間的に近づいたことで、天神の集客力はより一層増した。都心の回遊性の向上 福岡市は民間開発において、ビルのセットバックや公開空地による歩行者空間の整備を誘導した。イムズビルのセットバック、ソラリアプラザ1階広場、西鉄福岡駅内の東西・南北通路、ライオン広場、岩田屋本館の公開空地ときらめき通りセットバックなど、道路の歩道以外の民間敷地内に多くの空間が生み出された。 中でも天神のランドマークになったのが天神東南地区再開発事業のパサージュ広場であった。幅6mの道路をはさんでエルガーラビルの公開空地と西日本新聞会館の敷地をあわせて15mの広場となり、これを覆う高さ26mのアーケードも設けられた。この道路は緊急車両を除く一般車の進入禁止で歩行者専用となっている。 1997(平成9)年度には都心エリアを回遊する人は1日35万人にも上っていた。こうした人たちに利便性を提供し、バス利用の促進を図るため、西鉄は1999年7月、「福岡都心100円バス」を試行した。天神-渡辺通り-住吉通り-博多駅前-大博通り-昭和通り-天神の福博都心部のエリアで100円運賃を設定し、この区間内の乗降はどのバスもすべて100円とした。さらに回遊性を高めるために、博多駅-博多リバレイン-天神-キャナルシティ博多-博多駅を巡る100円循環バスの運行も開始した。100円バスの効果は数字に顕著に表れ、2000年4月からの本格実施に弾みをつけた。福岡都心100円バス福岡都心100円バス路線図ライオン広場

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