西日本鉄道株式会社 創立110周年記念誌S
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50第1部 天神発展史都心界発足と天神町発展会 1948(昭和23)年8月、天神地区の岩田屋・新天町・西鉄街・因幡町・天神町市場の5施設が都心連盟(のち都心会、さらに都心界と改名)を結成した。これは同年6月、新天町の船木卯一郎と下澤徹は「真に地域の発展を期すため、発想を新たにデパートと商店街が有機的に結びつくことができないものか」と考え、岩田屋宣伝課長の福川靖之助と管理部長の奥村十七に相談したことに始まる。 当時、再興著しい博多部では福岡玉屋が政府放出の洋服を大量に「大安売り」したことを巡り、博多五町から一斉に「専門店圧迫」と反発が起こり大問題となっていた。当時の天神地区は商圏規模、老舗の実績いずれもが博多部に劣り、しだいに「共存共栄こそが天神の発展に必要だ」との思いが募っていったのである。新天町の有志数人が発案した構想は、岩田屋をとりまく天神地区の商店街全体へ拡がった。「天神一帯を将来必ず都心に…」という願いを込めた天神地区の商業施設による親睦団体は、共同のイベントや宣伝を通じて天神地区の魅力を発信しつづけ、2018(平成30)年8月に70周年を迎えた。天神町の区画整理・道路拡幅前後の比較図(『天神町発展会1910~1960』より)黒字が拡幅前、赤字が拡幅後第11節 戦災復興とオフィス街の形成天神町交差点(1957年)天神町発展会の主な活動一覧1955 (昭和30)年 4月1955 (昭和30)年 5月1955 (昭和30)年 5月1955 (昭和30)年 6月1955 (昭和30)年 8月1955 (昭和30)年10月1956 (昭和31)年 1月1956 (昭和31)年 4月1956 (昭和31)年10月1957 (昭和32)年10月1957 (昭和32)年10月1958 (昭和33)年10月1958 (昭和33)年11月1959 (昭和34)年 6月天神町発展会創立(平野貞一会長)九州電力に対し、天神ビル再建方法・中央変電所建設を要望NHK古垣会長に対し、天神ビルに放送会館設置を要望天神エリア西側市道の道路舗装を福岡市に陳情天神町市場大火を受けて、再建問題に平野会長が奔走都市美化のため街灯・交通安全柵、街路樹植栽等を会員負担で実施決定福岡ビル建設による天神町市場再建に討議を重ねる(土地三角交換)街路灯の点灯式。都市美化推進の全員大会開催(5月)第1回天神まつり開催。会期中、各ビルは夜間全館点灯で光の交響楽演出県庁前広場の市民への開放を土屋県知事に要望県庁前に花時計を設置する案を各方面と折衝して進行(33年10月竣工)地下街建設問題についての懇談討論正金ビル前(天神橋口交差点)交通信号灯設置を決定天神町を中心とする都市計画ならびに博多駅移転問題を市当局と懇談

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