西日本鉄道株式会社 創立110周年記念誌S
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107第2章 CSR経営の推進CSR経営の推進体制 CSR経営の本来の姿は、従来からある業務執行組織および組織に属する従業員が企業理念にしたがって行動していることである。日常的な事業活動のなかで企業理念が無意識のうちに実践されている状態とも言える。このようなCSR経営の理想形に近づくための体制を設けた。 業務執行上、CSR経営の基本となる方針として内部統制システムの基本方針とコンプライアンス方針を定めた。また、CSR経営の重要なテーマである安全、環境、CS(顧客満足)についても、それぞれの方針を定めており、各組織および従業員はこれらの方針に沿った事業活動を行っている。 企業理念の実践を実効性のあるものとするために、CSR推進会議と委員会を設けた。社長を議長とするCSR推進会議は、CSR経営を行ううえで重要事項の方針、方向性を協議し、社長の意思決定を補佐する。委員会は、CSR委員会のほか、安全と人権それぞれに特化した委員会を設置し、各組織および従業員の活動を推進・支援している。第2節 内部統制とコンプライアンスの充実1、内部統制の充実 内部統制とは企業が適法、適正かつ効果的、効率的に業務を進めるためのルールや仕組み、体制のことであり、西鉄もその長い歴史のなかでこれらを構築、運用し、見直しを行ってきた。 2006(平成18)年5月に会社法が施行されたが、当時、内部統制システムの構築・運用における取締役の善管注意義務違反が問われるような企業不祥事が相ついだこと、ある程度の規模の会社には内部統制システムの整備が必要であるとの考え方が一般的になっていたことから、資本金5億円以上または負債総額200億円以上の大会社においては、「会社の業務の適正を確保するための体制(つまり「内部統制システムの基本方針」)」を取締役会で決議することが義務づけられた。 これにともない、西鉄ではこれまでの内部統制の取り組みを整理、明確化し、10項目についての取り組みを内部統制システムの基本方針として取締役会で決議した。 その後、2015年5月会社法が改正施行され、グループ経営に関する部分が強化されたことをふまえ、西鉄は同年5月、内部統制システムの基本方針を改定した。 また、2016年6月、監査等委員会設置会社への移行にともなう改定を行い、下記の9項目についての取り組みを基本方針としている。■業務執行組織取締役会常務会経営会議西鉄各部西鉄グループ各社CSR推進会議CSR委員会安全マネジメント委員会人権・同和問題推進委員会サポート内部統制システムの基本方針1.職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制2.職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制4.職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制5.当社および子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制6.監査等委員会の職務を補助すべき使用人に関する事項7.監査等委員会への報告に関する体制8.監査等委員の職務の執行について生ずる費用に関する事項9.その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制(2016年6月改定)

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